海産物や生鮮食品、冷蔵のお菓子などを送る場合に便利なのがクール便です。通常の配送では途中で腐ってしまうものでも、クール便であれば新鮮な状態で相手に届けることができます。
しかし、配送業者によって送る際の価格や送れるものが異なるのをご存知でしょうか?実は、クール便で送る際には注意しないと、業者に配送を断られてしまうこともあるのです。
また、通信販売をしている人以外は、あまりクール便は使わないのでついつい適当に送って、配送先に届いた時に腐ってしまっていたという例もあります。
そこで、大切な贈り物を新鮮な状態で相手に届けるために、クール便の送り方を詳しく解説していきましょう。
クール便の送り方
魚やアイスクリームなどの生モノを送る際に便利なのが、クール便です。基本的なクール便の送り方は以下のようになります。
- 品物を梱包し送り状を貼る
- ドライバーに集荷を頼むか、営業所へ持っていく
- 配送してもらう
クール便は、コンビニから配送することができないので、自分で営業所へ持っていくか、電話で運送会社のドライバーに集荷を頼むことになります。送り状は、以下のところで手に入れましょう。
送り状の入手先 | |
---|---|
ヤマト運輸 |
|
郵便局 |
|
佐川急便 | 営業所 |
(※各運送会社とも、集荷の際にドライバーに持ってきてもらうことも可能)
佐川急便は提携しているコンビニがないので、営業所へ行くか配送ドライバーに直接持ってきてもらうしかありません。
郵便局は、『Webゆうパックプリント』という個人でも使えるサービスがありますので、インターネットで送り状を作成してプリントアウトすれば簡単です。
しかし、クール便を送る際には注意しなければいけない点があります。次は、クール便を送る際に気をつけることを解説していきましょう。
クール便を送る際に注意すべきこと
クール便を送る際には予冷をしておくことや、梱包をしっかりすることなどの注意点があります。
クール便で送る際に注意すべきことは以下の通りです。
- 一部送れない地域がある
- 予冷をしっかりしておく
- ダンボールにしっかり梱包
- 送り状にわかりやすく書く
- ドライバーにも伝える
クール宅配便には、配送業者ごとに一部配達できない地域があるため、まずは、相手の住所に配送できるか確認しましょう。
また、クール便で送る際には、品物を十分に予冷(冷やしておくこと)が大切です。クール便は冷気を逃さない専用車両で配送されます。
しかし、配送ドライバーは日本全国の届け先をまわって配送するため、配達の際に途中で車両を開け締めするのは避けられません。
当然、車両を開け締めすると庫内の温度が上がるため、十分に冷やしていないと途中で腐ってしまうことも考えられます。品物の鮮度を守るためにしっかりと予冷してから梱包しましょう。
梱包は潰れないようにしっかりと
ドライバーは沢山の荷物を積み込むため、他の荷物に潰されないように梱包はしっかりとしましょう。しっかりとしたダンボールに、梱包材を隙間なく入れて梱包するようにしてください。
ダンボールに隙間があると、他の荷物とぶつかった際にへこんでしまうことがあるため、大切な品物を守るために、しっかりと梱包しましょう。
ドライバーにもクール便であることを伝える
自分で営業所へ荷物を持っていく場合は営業所の担当者へ、ドライバーに集荷してもらう場合には担当ドライバーにクール便であることをはっきり伝えましょう。
クール便を送る際には送り状にその旨を記入します。佐川急便では、冷凍または冷蔵のシールを貼りますが、ヤマト運輸と郵便局では通常配送の送り状と同じものを使うため、見逃される可能性もあります。
他にも記入漏れがある可能性があるため、もう一度、配送担当者にチェックしてもらうと安心です。
クール便で送れるもの・送れないもの
クール便で送るには予冷をしっかりしなくてはなりません。予冷をしていないと、途中で腐って他の配達物にニオイなどが移ってしまう可能性があるためです。
クール便は専用トラックで配達されます。しかし、保冷をする機能はあっても、冷却機能はないため注意しましょう。
鮮魚や果物、冷凍したケーキなどの生モノはクール便で送ることができますが、形の崩れやすいもの(冷凍されていないケーキなど)は配送中の揺れで崩れてしまいますので、冷凍してから冷凍便で送った方がいいでしょう。
クール便でアイスクリームを送る場合
アイスクリームを送る際には、ヤマト運輸のクール宅配便か、佐川急便の飛脚クール便を利用して冷凍便で送りましょう。郵便局のチルドゆうパックは冷蔵しか選べないので、アイスクリームが途中で溶けてしまいます。
梱包する際には、発泡スチロールの容器にアイスクリームとたっぷりのドライアイスを詰めましょう。
また、冷凍でもアイスクリームは特に溶けやすいので、送る際は担当ドライバーと、送る人に伝えてなるべく早く受け取ってもらえるようにしてください。
クール便で送れないもの
クール便で送れないものは、運送会社の定めたサイズ、重量の規格以上のもの、管理温度を超えるものなどです。
クール便で送れないものは以下の通りです。
- 予冷をしていないもの
- サイズ規格より大きいもの
- 対応していない重さのもの
- 大きさの異なる多重梱包
- 危険物
- 管理温度を超えるもの
各運送会社のクール便のサイズ規格は以下のようになっています。
- ヤマト運輸:縦横高さ合計120cm以下/15kg以内
- 郵便局:縦横高さ合計150cm以下/25kg以内
- 佐川急便:縦横高さ合計140cm以下/20kg以内
クール便のサイズ規格を超えているものは、送ることができません。また、サイズの違う多重梱包(大きい箱と小さい箱の組み合わせ)も送ることができないため、複数の箱を1つにまとめて梱包する際には、箱のサイズをそろえましょう。
また、各運送会社の管理温度で鮮度を保てないものも、送ることができません。
タイプ | 温度 | |
---|---|---|
ヤマト運輸 | 冷蔵 | 0~10℃ |
冷凍 | -15℃ | |
郵便局(チルドゆうパック) | 冷蔵 | 0~5℃ |
佐川急便 | 冷蔵 | 2℃~10℃ |
冷凍 | -18℃ |
上記の温度で鮮度を保てないものは、送ることができないので送りたい品物の適正温度が何度になっているか確認しましょう。
各社クール便(チルドゆうパック)の料金比較
クール便で荷物をおくる際に、なるべく安い送料で送りたいですよね。そこで、ヤマト運輸、郵便局、佐川急便3社の関東(東京)から関西(大阪)へ送る際の送料を一覧にしました。
サイズは3社とも60サイズ(縦横高さの合計60cm以下)です。
重量 | 関東から東京への運賃 | |
---|---|---|
ヤマト運輸(クール宅配便) | 2kg以内 | 1,231円 |
郵便局(チルドゆうパック) | 25kg以内 | 1,170円 |
佐川急便(飛脚クール便) | 2kg以内 | 1,134円 |
(※ヤマト運輸と佐川急便の冷凍・冷蔵の価格は共通)
上記の表は、持込割などの割引を適用しなかった価格になっています。そして、ヤマト運輸のクール宅配便と佐川急便の飛脚クール便は、冷蔵でも冷凍でも料金は変わりません。
関東から関西へクール便で送る際に一番安いのは、佐川急便でした。その次に安いのは郵便局ですが、冷蔵しか選択できないため、冷凍の品物は送れません。しかし、冷蔵で送るのであれば、他社と同じサイズで25kgまで送れるのは魅力的でしょう。
一番高いのは、ヤマト運輸で一番安い佐川急便とは100円近く違います。しかし、ヤマト運輸はクロネコメンバーズに登録すれば、色々な割引や便利なサービスが使えるため、ヤマト運輸を使う際にはクロネコメンバーズに登録するといいでしょう。
クール便はコンビニから送ることができないので注意しましょう。詳しくは『クール宅急便はコンビニから発送できない!クール便を送る方法を解説』の記事で紹介しています。

クール便の受け取り方法
クール便の受け取りは、事前に配送業者が電話で在宅か確認した後、自宅まで荷物を持ってきてくれるので、配達予定日に連絡を待ちましょう。
しかし、以下のことに注意する必要があります。
- 宅配ボックスは利用不可
- コンビニでの受け取りはできない
- 不在の場合は保管期限がある
それでは、順番に解説していきます。
クール便は宅配ボックスやコンビニ受け取りは不可
クール便は、冷蔵か冷凍で送られてきます。ですから、もし、家に不在の場合は倉庫で温度管理をしなければいけないため、宅配ボックスがあったとしてもドライバーは一度配送センターに持ち帰るのです。
ですから、なるべく配送予定日には自宅にいるようにし、大切な荷物を確実に受取るようにしましょう。コンビニでも、温度管理ができないためクール便は受け取ることができません。
不在の場合は保存期間内に再配達してもらう
クール便の配達時に不在で受け取れなかった場合は、不在票に書かれている電話番号へ連絡し再配達を頼みましょう。
しかし、運送会社ごとに保管期間が異なるため注意が必要です。
- ヤマト運輸:3日間
- 郵便局:7日間
- 佐川急便:4日間
特にヤマト運輸は不在日を含めて最大3日間となっているため、不在票が入っていたらすぐに連絡して、再配達を依頼しましょう。
他の運送会社の場合も、なるべく早く再配達してもうようにし、大切な荷物を確実に受けとってください。
まとめ
郵便局のチルドゆうパックは冷蔵しか選択できないため、冷凍の品を送る場合にはヤマト運輸のクール宅配便か佐川急便の飛脚クール便を利用しましょう。
送る品物は梱包する前に、しっかりと予冷をして配送先まで適切な温度を保てるようにすることが大切です。クール便はコンビニや宅配ボックスでは受け取れないため、配達予定日には自宅にいるようにし、もし、不在で受け取れなかった場合は、早めに再配達を依頼しましょう。
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